この春、公立高校入試の状況は、大いに荒れ、各中学校でも他の塾でも、多くの不合格者を出したことは、今春のスケッチブックでもお話しさせていただいた。そんな中で、当塾は生徒諸君の努力によって、高い合格率を維持した。彼らの努力を大いに賞賛したいとおもう。特に、五日市中央教室や戸坂の上中学院の100%全員合格をはじめ、多くの教室で在籍生のほとんどが、第1志望の公立高校へ合格を果たした。その合格者の割合は群を抜いている。広島市の西部でほとんどの中堅公立高校が40名の生徒募集定員を削減するという中で、わが塾の状況は生徒諸君の頑張りに支えられたことになる。
ここでもう一つ見逃してはならないことがある。今年だけではなく、昨年以来、入試問題の内容が大いに変わったということだ。難しいことで有名だった数学の問題はずいぶん解きやすくなり、逆に数学の限らず、表現力や資料を読み取る能力などが問われる問題はずいぶん解きにくいものが出題されるようになった。これは来たる大学入試の変革内容に対応したものであることも言うまでもない。したがってこうして変化した内容は、これからも継続されることは間違いなかろう。

今、私たちは公立高校入試に対策するための当塾独自対策問題の大改訂を行おうとしており、この5月から作問を開始した。全職員が取り組んでいる指導技術交換会で、教科ごとに分科会に分かれ、今まで蓄積してきた具体的な対策問題を作り替えるのだ。そして、今年はその改訂が相当大規模なものになることを覚悟している。

また、今年は平生の授業の中で、入試対策を早期から行うようにスケジュールの改定も行った。公立高校のここ2年間の出題は、教科によって、かなりの応用力を要求するものに変化しており、受験前に応用力を鍛え養成するためには、早い時期に基礎基本の事項を固めておかねばならないと考えたからだ。

平生の授業の中に、もう入試対策は始まっている。

会長  河浜一也